back to top
2022.7.20 記事
Web3.0について

近年、IT業界界隈でよく耳にするようになった「Web3.0(以下Web3)」。次世代型のインターネットの時代がいよいよ始まるということはなんとなく知られていますが、具体的にこれまでと何が違うのか、どういうことが実現できるのかということを知っている人は少ないのではないでしょうか?そこで今回は「Web3」について深堀りしたいと思います。

 

◆Web3とは次世代分散型のインターネット

まずはこれまでのインターネットの歴史を考えてみましょう。Web1.0と呼ばれる黎明期は、WWW(World Wide Web)が考案された1990年から2004年までの時代を指します。HTMLを用いたテキストコンテンツが主流で、Yahoo!やGoogleといったサービスが生まれたのもこの時期で、配信者とユーザーとが双方向でやりとりができるようなサービスはまだ少数でした。次に大きな転換期となるWeb2.0では、いわゆる「SNS時代」が到来します。YouTubeやFacebook、Instagram、Twitte、LINEといったさまざまなSNSが登場し、ユーザー同士が配信を行うインタラクティブな世界となりました。2022年現在ももちろんこのWeb2.0の時代と言えます。

そんな中、登場してきたのがWeb3です。Web2.0時代に問題となったのはGAFAなど巨大企業による権力集中です。それにも関わらずGAFAなど大企業から個人情報が流出するなどして大きな問題となりました。Web3では、こうした特定の企業にデータが集中するという問題を解決するため、ブロックチェーンが登場しました。改ざんや流出が極めて困難なブロックチェーン技術によって、データを特定企業から分散させることで、インターネットはより安全かつ民主的なものとなっていくことになります。

これを「非中央集権のインターネット」と呼んだりします。

 

 

◆Web3の特徴

このようにWeb3では、これまである特定企業などに集中していてたデータがここのデバイスでの管理となる、かつてのP2Pと近いものと考えられています。それでは、このWeb3にはどのような特徴があるのでしょうか?

 

■個人情報は自己管理となる

Web2.0時代では、特定の大企業が膨大なデータをデータセンターに集中させていました。しかし、Web3ではさまざまな個人のデータを個人が管理する時代となります。従来のWebでは、例えば、YouTubeやSNSを利用する際に個々の検索履歴から個人が興味を持っている広告などが表示されますが、なぜこうしたことが起きるかといえば、ユーザーが自身の趣味・嗜好といった検索情報を巨大企業のデータセンターに提供しているためです。こうしたインタラクティブな世界は便利ではありますが、プライバシーという面でリスクを伴います。Web3の世界では、ブロックチェーン技術により個人間で管理できるようにすることで、個人情報の流出を防ぐことができるようになります。

 

■サーバーに依存せず情報を交換

Web3における「分散管理」とは、ブロックチェーン技術を応用してデータを共有するP2Pネットワークを構築することです。かつてP2Pと呼ばれた、ファイル共有ソフトの発展型とも言い換えても良いでしょう。

これまでは、プラットフォーム事業者が巨大サーバーを使ってデータベースを管理していましたが、P2P情報基盤で管理することによって、サーバーを経由することなくユーザーが各々、自身のデータのオーナーシップを持つことができるようになります。

 

■言論の自由が守られる

近年、TwitterやYouTubeなどSNSでは配信する内容によっては発言内容や、アカウント自体が取り消されるなど規制が厳しくなってきました。これはある意味特定の企業による言論統制ということも言えます。Web3ではサーバーを経由せずにやりとりすることが可能なため、こうした言論統制はできなくなり、言論の自由は保護されることになるでしょう。

 

■セキュリティの向上

先述の通り、現在は特定企業の巨大なデータセンターに情報が集約されているため、そのサーバーが攻撃されてしまうと膨大な個人情報が流出してしまいます。現にこれまでも大企業による個人情報漏洩という問題は多数起きていました。しかし、ブロックチェーン技術によりWeb3では管理主体がなくなるため、このような情報漏えいは防げると思われます。

 

dAppsによるグローバル市場の確立

デジタル市場はグローバル化しやすいという特性がありながら、現状ではドメイン、国、言語でサービスが統一できていません。しかし、Web3ではDAppsという分散型アプリを活用し、誰もがプログラムを閲覧・利用することができるようになります。これにより、真のグローバル市場を確立できると言われています。

 

 

◆Web3の注目点と注意点

Web3が注目されている点はなんといってもブロックチェーン技術の発展です。ブロックチェーンは、先述の通り、Web2.0時代のデータの中央集権型から、データを複数の場所に分散して管理できるようになります。個人でデータベースを管理できるため、仮想通貨や分散型アプリケーションなどに活用できるようになりました。これにより、仮想通貨は仲介組織を介さず、ユーザー同士で直接取り引きでき、これがNFTアートやメタバースなどの発展につながっています。これらにより、Web2.0時代に問題となっていた、膨大な個人情報の流出やサーバーへの攻撃といったセキュリティ面での課題を克服できると考えられています。

一方で、Web3にも注意すべきリスクが存在します。

Web3が普及すればするほどデータ管理における個人的責任が重くなります。個人がいかにインターネット・セキュリティに詳しいかによってさまざまな問題が浮き彫りとなる可能性が示唆されています。例えば、データ流出などのトラブルが発生した場合は、個人で対処しなければなりません。対処法や法律を知っておかないと扱うのは困難となるでしょう。2021年、230億円分のビットコインを暗号化USBに保管していた英国人の人がパスワードを忘れるという事件もありました。このようなリスクがあるため、なかなか一般に普及するには時間がかかるだろうという見方もあります。

 

 

◆まとめ

いかがでしたか? まだ発展途上にあると言える Web3ですが、Web3時代への移行はすでに始まっています。ブロックチェーンを使った脱中央集権化は仮想通貨だけではなくNFT、メタバース、DeFi、ソーシャルトークンといったさまざまなサービスへと広がりを見せており、その勢いは今後も拡大していくものと予想されています。これらのサービスが一般に普及していくことで、Web3全体の課題も克服されるのではないかと予想されています。

 

© Bsi 2021. All Rights Reserved.